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一歩ずつ学ぶ ゲーム理論 −数理で導く戦略的意思決定−
A Step-by-Step Approach to Basic Game Theory

在庫マーク

東京都立大学教授 博士(工学) 渡辺隆裕 著

A5判/312頁/定価3630円(本体3300円+税10%)/2021年11月15日発行
ISBN 978-4-7853-1593-1  C3041

電子書籍

数式で理解する。だから、応用できる。
さぁ、ゲーム理論を学ぶ旅に出かけよう!

 これまで経済学を中心に発展してきたゲーム理論は、社会科学の分野はもちろんのこと、現在では、工学系の広い分野にも応用されている。特に近年は、人工知能やデータサイエンスなどの計算機科学や情報系の分野でも盛んに応用・研究されており、非常に重要視されるようになっている。
 個人や企業の行動を分析し、社会をモデル化する一般的な枠組みを与えるゲーム理論は、統計学やプログラミング、最適化の数学と同様に、あらゆる分野に必要とされる理論であり、今後、ゲーム理論を学びたいという人たちは益々増えてくると思われる。
 そこで本書は、初めてゲーム理論を学ぶ方でも数式で理解できるように、わかりやすい言葉で、なるべく省略することなく丁寧に解説することで、読者が一歩ずつ学んでいけることを目指して執筆したものである。そのために、数式による定義は最小限にした上で、その数式の意味を言葉で言い換えて、例や例題を使って解説した。
 なお、各章の演習問題の中で難しいと思われる問題や、詳しい説明が必要と考えられる問題については、裳華房のWebページにその解説をPDFで掲載した(下記参照)。ダウンロードもできるので、各自の必要に応じて参照してほしい。


◆本書の特徴◆

集合の用語など、数学に慣れた者には当たり前であっても、初学者にとってはわかりにくい概念には、「数学表現のミニノート」として解説を加えた。
本書で何を学ぶのかについて最初の第0章に示すと共に、読者がどこまで学習したかがわかるように「ガイドマップ」を作り、各章のタイトルの下に、そのマップで現在の位置を示した。
各章の冒頭には「本章のキーワード」、章の終わりには「本章のまとめ」を入れると共に、本文の中で重要な部分は太字や色を変えて強調し、「check」マークのアイコンを付けた。
章末の演習問題も充実させて、解答をつけるのはもちろんのこと、難しいと思われる問題や、詳しい解説が必要と考えられる問題については、本書のWebページに解説(下記参照)も用意した。
著者のWebサイト(NABENAVI.net)には、「ゲーム理論」に関する解説記事や著者御自身による「ゲーム理論」の講義動画(YouTube)へのリンクがあり、これも併用することで、さらに本書の理解が深まるであろう。


サポート情報 (外部サイトへのリンクを除き、すべてpdfファイルです)

著者のWebサイト(NABENAVI.net)

演習問題の解説

正誤表(著者のWebサイトへリンク)
正誤表(増刷・重版時の修正に基づいて作成)

まえがき   記号一覧   索引

目次 (章タイトル)  → 詳細目次

0.ゲーム理論の鍵となる概念と本書の構成
1.戦略形ゲーム
2.戦略形ゲームの応用例
3.混合戦略
4.展開形ゲーム
5.展開形ゲームの応用例
6.展開形ゲームにおける不確実性と混合戦略
7.不完備情報の戦略形ゲーム
8.不完備情報の展開形ゲーム
9.協力ゲーム

詳細目次  →『一歩ずつ学ぶ ゲーム理論』 目次

まえがき (pdfファイル)
記号一覧 (pdfファイル)

0.ゲーム理論の鍵となる概念と本書の構成
 0.1 ゲーム理論のはじまり
 0.2 非協力ゲームと協力ゲーム
 0.3 ゼロサムゲームとナッシュ均衡
 0.4 完備情報と不完備情報
 0.5 戦略形ゲームと展開形ゲーム
 0.6 混合戦略と均衡の精緻化
 0.7 プレイヤーの合理性とその緩和
 0.8 さぁ出発だ! −本書で学ぶためのガイドマップ−

1.戦略形ゲーム
 1.1 戦略形ゲームの考え方
  1.1.1 戦略形ゲームの定義と表現
  1.1.2 ゲームと1人の意思決定との違い
 1.2 戦略形ゲームの数式表現
  1.2.1 戦略形ゲームの定義
  1.2.2 ゲーム理論において重要な数式の表現
 1.3 戦略の支配
  1.3.1 戦略の支配 −2つの戦略を比べる−
  1.3.2 戦略の弱支配 −強支配より弱い意味での比較−
 1.4 強支配された戦略の繰り返し削除
  1.4.1 モデル2のゲームの解
  1.4.2 プレイヤーの合理性と共有知識
 1.5 ナッシュ均衡
  1.5.1 最適反応戦略とナッシュ均衡
  1.5.2 2人ゲームのナッシュ均衡を求める
  1.5.3 ナッシュ均衡を理解する
  1.5.4 戦略の支配とナッシュ均衡
 本章のまとめ
 演習問題

2.戦略形ゲームの応用例
 2.1 囚人のジレンマ
  2.1.1 囚人のジレンマとは?
  2.1.2 パレート最適
  2.1.3 $n$ 人囚人のジレンマと共有地の悲劇
 2.2 調整ゲーム
  2.2.1 調整ゲームとは?
  2.2.2 フォーカルポイント
  2.2.3 リスク支配による均衡選択
  2.2.4 パレート優位な均衡
  2.2.5 多人数の調整ゲーム
 2.3 2×2ゲーム
  2.3.1 2×2ゲームの分類
  2.3.2 弱虫ゲーム
  2.3.3 コインの表裏合わせ
 2.4 戦略的投票
 2.5 戦略が実数であるゲーム
  2.5.1 ベルトラン競争 −価格競争のモデル−
  2.5.2 クールノー競争 −生産量競争のモデル−
  2.5.3 ゲームの均衡とパレート最適
  2.5.4 戦略が連続的であるゲームの均衡の存在
 2.6 ポテンシャルゲームと混雑ゲーム
  2.6.1 ポテンシャルゲーム
  2.6.2 混雑ゲーム
  2.6.3 無秩序の代償
 本章のまとめ
 演習問題

3.混合戦略
 3.1 混合戦略とナッシュ均衡
  3.1.1 混合戦略 −確率で戦略を選ぶ−
  3.1.2 混合戦略と期待利得
  3.1.3 混合戦略のナッシュ均衡
 3.2 2×2ゲームの混合戦略のナッシュ均衡の計算
  3.2.1 純粋戦略の均衡がない場合
  3.2.2 純粋戦略の均衡が2つある場合
  3.2.3 簡便な混合戦略のナッシュ均衡の計算方法
  3.2.4 ナッシュ均衡における結果と期待利得
 3.3 混合戦略のナッシュ均衡の存在
 3.4 ゼロサムゲームとマキシミニ戦略
  3.4.1 ゼロサムゲーム
  3.4.2 マキシミニ戦略
  3.4.3 ミニマックス定理
  3.4.4 マキシミニ戦略とナッシュ均衡
 本章のまとめ
 演習問題

4.展開形ゲーム
 4.1 完全情報ゲーム
  4.1.1 ゲームの木による表現
  4.1.2 バックワードインダクションによる完全情報ゲームの解
 4.2 一般の展開形ゲーム
  4.2.1 不完全情報の展開形ゲームとその例
  4.2.2 展開形ゲームの数式表現
 4.3 戦略形ゲームによる表現
  4.3.1 完全情報ゲームの場合
  4.3.2 一般の展開形ゲームの場合
  4.3.3 数式表現による確認
  4.3.4 ナッシュ均衡による解
 4.4 部分ゲーム完全均衡
  4.4.1 展開形ゲームにおけるナッシュ均衡の問題点
  4.4.2 部分ゲームと部分ゲーム完全均衡
  4.4.3 縮約による部分ゲーム完全均衡の計算
  4.4.4 部分ゲーム完全均衡に関する補足
 本章のまとめ
 演習問題

5.展開形ゲームの応用例
 5.1 シュタッケルベルグ競争
 5.2 交渉ゲーム
  5.2.1 1期間の交渉ゲーム
  5.2.2 多期間の交渉ゲーム
 5.3 繰り返しゲーム
  5.3.1 繰り返しゲームの表現
  5.3.2 有限回の繰り返しゲーム
  5.3.3 無限回の繰り返しゲーム
 本章のまとめ
 演習問題

6.展開形ゲームにおける不確実性と混合戦略
 6.1 確率とベイズの定理
  6.1.1 情報と条件付き確率
  6.1.2 ベイズの定理
 6.2 行動戦略と混合戦略
  6.2.1 混合戦略と展開形ゲームの解
  6.2.2 行動戦略
  6.2.3 行動戦略における期待利得
  6.2.4 行動戦略と混合戦略の対応
 6.3 不確実性のある場合の展開形ゲーム
  6.3.1 自然というプレイヤー
  6.3.2 戦略形ゲームへの変換
 本章のまとめ
 演習問題

7.不完備情報の戦略形ゲーム
 7.1 不完備情報の戦略形ゲーム
 7.2 ベイズナッシュ均衡
 7.3 ベイジアンゲーム
 7.4 展開形ゲームによる表現
  7.4.1 事前と中間期と事後
  7.4.2 ナッシュ均衡とベイズナッシュ均衡
 7.5 数式表現による確認
 本章のまとめ
 演習問題

8.不完備情報の展開形ゲーム
 8.1 完全ベイズ均衡
 8.2 シグナリングゲーム
 8.3 シグナリングゲームの解の例
 8.4 シグナリングゲームの解の数式表現
 8.5 直観的基準
 本章のまとめ
 演習問題

9.協力ゲーム
 9.1 特性関数形ゲーム
  9.1.1 特性関数形ゲームと定義
  9.1.2 費用分担ゲーム
  9.1.3 投票ゲーム
 9.2 協力ゲームの解とコア
  9.2.1 配分
  9.2.2 コア
 9.3 最小コアと仁
  9.3.1 不満,$\epsilon$ - コア,最小コア
  9.3.2 仁
 9.4 シャープレイ値と投票力指数
 9.5 特性関数の正規化と解の公式
 本章のまとめ
 演習問題

付録 確率の基礎
参考文献
演習問題解答
索引(pdfファイル)

著作者紹介

渡辺 隆裕
わたなべ たかひろ 
1964年 北海道に生まれる。東京工業大学工学部卒業、東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。東京工業大学助手、岩手県立大学助教授、東京都立大学助教授、首都大学東京教授などを経て現職。主な著書に『図解雑学ゲーム理論』(ナツメ社)、『ゼミナール ゲーム理論入門』『ビジュアル ゲーム理論』(以上 日本経済新聞出版社)などがある。

(情報は初版刊行時のものです



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